ダイエットのカロリー計算は「だいたい」でいい理由

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カロリー計算ダイエットは昔からの王道

ダイエットといえば「カロリー計算」。
食べたものを記録して、消費カロリーと照らし合わせる。
シンプルで分かりやすいから、昔から王道として扱われてきた。

2000年代には「レコーディングダイエット」が大流行した。
食べたものをすべて書き出すだけで痩せるというシンプルさに、多くの人が飛びついた。
本屋の棚に関連書籍が並び、アプリが次々と登場した時期だ。

理屈としては確かに正しい。
摂取が消費を上回れば太り、逆なら痩せる。
人間の体はこの単純な算数に従っている。

ただし問題は、「正確にやろうとすると続かない」ことだ。

正確さを追い求めた人が挫折する理由

カロリー計算を続けられない人には、いくつかの共通パターンがある。

まず、外食が多い人だ。
ラーメンや丼物、居酒屋メニューのように、正確な数字が分からない料理ばかりでつまずく。
アプリの候補に似たメニューがなく、「もういいや」と入力をあきらめてしまう。

家庭料理が中心の人も同じだ。
毎回、調味料の量や油の使用量をきっちり測るなんて現実的ではない。
「だいたいこれくらいかな」と入力しても、その曖昧さに自分で嫌気が差してやめてしまう。

さらに厄介なのが、コンビニのスイーツや袋菓子。
パッケージには「1袋◯kcal」と書かれているけれど、半分だけ食べたときの計算が面倒になる。
きっちりやろうとするほど、どんどん複雑になっていく。

そして誰もがぶつかるのが、飲み会や旅行だ。
串カツ1本、チーズ盛り合わせ、アルコール――このあたりを正確に計算できる人はいない。
気づけば「もう無理」と匙を投げ、記録そのものが止まってしまう。

最初は真面目に続けていたとしても、こうした“例外”の連続に直面すれば、どこかで心が折れる。
これこそが、カロリー計算が長続きしない最大の理由だ。

そもそも「正確な計算」など存在しない

ここで大事な事実を確認したい。
実は、そもそも「正確なカロリー計算」なんて存在しない。

食品表示に書かれた数字は平均値だ。
同じおにぎりを食べても、消化力や腸内環境によって体が吸収する量は違う。

運動の消費カロリーも不確かだ。
「ジョギング30分=250kcal」と書かれていても、
スピード、姿勢、筋肉量、さらには気温や体調によって数値は変動する。
さらに、体は慣れるほど効率化していくため、同じ距離を走っても消費は徐々に減る。

基礎代謝も一人ひとり違う。
同じ体重・身長でも、筋肉量やホルモン状態によって一日の消費は200〜300kcal変わる。

つまり「正確に入力したつもり」でも、実際には誤差だらけなのだ。
だからこそ、最初から「だいたいでいい」と考える方が合理的だ。

外食やお菓子はざっくり覚えておく

そこで役立つのが「ざっくり目安」。
おおまかに覚えておけば、それだけで調整が効く。

  • おにぎり1個=180kcal
  • 食パン1枚=160kcal
  • ビール350ml=150kcal
  • ポテトチップスひと握り=150kcal
  • チョコレートひとかけ=50kcal
  • 牛丼並盛=700kcal前後
  • ラーメン1杯=700〜800kcal
  • カレーライス=900kcal前後

この程度の知識で十分だ。
細かく入力するより、生活の中で「だいたい把握」しておく方が現実的で続けやすい。

旅行や出張で計算は破綻する

カロリー計算を続けていると、必ずぶつかる壁がある。
それが旅行や出張だ。

ホテルの朝食ビュッフェではパン、卵料理、ベーコン、フルーツ…。
一つひとつ計算していたら、食べる前に疲れてしまう。
しかも旅行中は歩く距離も増えるので、消費カロリーは普段より多い。

以前の自分はここで「もう無理だ」と記録を投げ出した。
けれど、ざっくり記録する方法に変えてからは違った。

「今日は2000kcalくらい食べたはず」
「歩数は2万歩だから−600kcalくらい」

そんな大雑把な数字でも、1日の収支が赤字か黒字かは見える。
旅行中だからこそ、正確さより「だいたいで続ける」ことが大事だと実感した。

数字に疲れてやめたこともあった

実は一度、アプリを閉じて2週間放置したことがある。
最初は「少し休んでも大丈夫だろう」と思っていた。
けれど結果はあっという間のリバウンド。

やっぱり「見られている感覚」がなくなると、人は油断する。
間食が増え、歩数も減り、気づけばプラス2kg。

そこで再開したのが「だいたい入力」だった。
以前は1g単位で入力していたが、それをやめて
「昼はおにぎり2個」「夜は外食で1000kcal」
といった雑な数字を入れるだけにした。

驚いたのは、これでも十分だったこと。
細かい数字を入れていた頃よりもむしろ続けやすく、体重は再び減り始めた。
「完璧じゃなくても結果は出る」
そう気づけたことが、むしろ大きな収穫だった。

週単位で帳尻を合わせればいい

ダイエットは1日の数字で決まるわけではない。
1か月で−1kg、つまり7200kcalの赤字を作ればいい。
1日あたり240kcalに過ぎない。

「今日は飲み会で+800kcal」
「じゃあ翌日から3日間、少し控えめにしよう」

この調整で週全体が赤字になれば、それで十分だ。
大切なのは、毎日ぴったり数字を揃えることではなく、週単位で平均して赤字にすること

AIやアプリに「ざっくり入力」するだけでいい

ここでAIやアプリが活躍する。
「晩ごはん700kcalくらい」「今日は1万歩」
この程度の報告でも、AIは一日の収支をまとめてくれる。

AIの強みは「責めないこと」。
「昨日は食べすぎましたね」ではなく、
「平均では順調です」「今日の行動もプラスになっています」
こうした言葉が続ける力を支えてくれる。

また、人は「見られている感覚」があるだけで行動が変わる。
AI相手でも「とりあえず入力しておこう」という気持ちが余計な間食を防ぐ。
正確さよりも、この習慣こそがダイエット成功の土台になる。

感覚が育つと計算すら不要になる

続けていくと、不思議なことに「感覚」が育ってくる。

  • 夜に食べすぎたから、翌日控えよう
  • 今日よく歩いたから、少しくらい大丈夫

数字を見なくても、赤字か黒字かの境目が自然と分かるようになる。
これは机上の計算ではなく、体験の積み重ねから生まれる実感だ。

この段階に入ると、もはや細かい計算は必要ない。
生活そのものが調整になり、ダイエットは日常に溶け込んでいく。

数字に縛られないことがストレスを減らす

カロリー計算を真面目にやる人ほど陥るのが「数字への囚われ」だ。
たった100kcalオーバーしただけで罪悪感を抱き、ストレスをためる。
その反動で暴食してしまい、挫折するケースは多い。

逆に「だいたいでいい」と割り切れば、余計なストレスがなくなる。
数字を気にしすぎないから気持ちが軽くなり、長く続けられる。
心理的なゆとりこそ、ダイエットの継続に欠かせない。

1か月1kg減をどう見るか

脂肪1kg=7200kcal。
1か月で1kg減らすには、週ごとに1800kcalの赤字を作ればいい。
1日あたりに直すと240kcal。

これはお菓子を少し控える、一駅分歩く、それだけで達成できる数字だ。
厳密な計算はいらない。
「ざっくり調整」で十分成果が出る。

自分も最初は「きっちりカロリー計算しなきゃ」と思っていた。
けれど、実際にやるとすぐに面倒でやめてしまった。

そこでAIにざっくり報告するだけに変えた。
「おにぎり2個」「今日は1万歩くらい」
そんな大雑把な入力でも、毎日積み重ねれば意味を持った。

翌日は自然と調整でき、最終的に1年でマイナス12kgを達成できた。
完璧を目指すより「また続けられること」が一番大事だと実感した。

だからこそ言いたい。
ダイエットのカロリー計算は、正確さより「だいたいでいい」。
これが1年間を通してたどり着いた結論だった。

ゆるお

ざっくり入力でも本当に痩せられるの?

AI

多少の誤差があっても、収支をしっかりマイナスにできれば結果は出ます。
週単位で帳尻を合わせるのがおすすめです。

ちょっと気になるクエスチョン

Q. ざっくり入力でも本当に痩せられるの?
A. 多少の誤差があっても、収支を赤字に寄せられれば結果は出ます。週単位で帳尻を合わせるのがおすすめです。

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この記事を書いた人

プロテイン・サプリメーカー勤務の50代男性。
ブランドコンテンツを作る中で、ダイエットや体づくりの知識を少しずつ身につけ、自身でも実践。
食事や運動、生活習慣の工夫を重ね、1か月1kgペースで1年かけて12kgの減量に成功!
信頼できる情報をもとに、同世代にも続けやすい方法を発信している。

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