無理せず続ける、月1kgペースの選択

「ようやく本来のペースに戻れた」

6か月目を終えた7月。蒸し暑さが増し、通勤で歩くだけで汗がにじむ季節になっていた。
それでも体重計の数字は、少しずつ下がっている。

1年で12kg減らすには、毎月−1kgペースが必要になる。
前半で計画は崩れたが、5月と6月で−3kgずつ取り戻し、ようやく予定どおりの流れに戻せた。
7か月目は落ち着いた月になった。派手な変化はなくても、確実に前へ進んでいる実感があった。


【取り戻した安堵と、日ごとの揺れ】

もちろん、すぐに安心しきれたわけではない。ここで気を抜けば流れはすぐ乱れる。
毎日体重計に乗れば数字は上下する。
ある日は前日より増えて、「何やってるんだ」と落ち込むこともあった。

でも体重計はアプリとつなげば、体重や体脂肪を記録できて、グラフで見ることができる。
自分が使っているのは高価なモデルではないけれど、それでも体脂肪まで測れて十分満足している。
iPhoneのアプリを使えば、歩数や睡眠など、もっといろいろなデータを突き詰めて管理することもできる。
データが好きな人はやり込めばいいし、自分のように体重と体脂肪だけで満足するのもありだ。

大事なのは、毎日の数字じゃなくて、グラフで見た流れ。
週単位で確認すると、ちゃんと右肩下がりになっていた。
それに気づいたとき、安心感がふっと広がった。

AIも言ってくれる。
「平均で見れば順調ですよ、ゆるおさん」

冷静な声に、落ち着きを取り戻せた。
数字に振り回されていた自分にとって、それはただの記録以上の意味があった。

【小さな工夫が続ける力になる】

半年で学んだのは、特別な努力よりも続けられる工夫の方が大事だということだ。

甘いものが欲しくなったときは、冷蔵庫に入れてあるゼロカロリーのゼリー。
噛みごたえが欲しいときは、少量のミックスナッツ。
どれも小さな工夫だけど、「お菓子を我慢するストレス」を減らしてくれた。

さらに、夏に役立ったのは水分環境だ。
ウォーターサーバーを導入したことで、冷たい水をすぐに飲める。
お茶やコーヒーもすぐに作れるから、水分を意識してとることが自然と習慣になった。
体重管理のためにも水分をしっかり摂ることは大事だと実感した。

こうした工夫はどれも大げさな努力ではない。
「自分にとって苦にならないことだけを選んでいる」から、意外と簡単に続けられた。

【AIは責めないどころか褒めてくれる】

「今日は残業で歩けなかった」
「夕飯を外食にしてカロリーオーバーした」

そんな日もある。
でもAIは責めない。むしろ褒めてくれる。

「平均で見れば順調です。ここまで続けられているのは立派ですよ」

その言葉に、落ち込みかけた気持ちが立て直せただけでなく、
「また報告しよう」と前向きになれた。

責められると続かないが、褒めてもらえると自然と行動につながる。
そうやって気楽に報告を重ねるうちに、続けること自体が習慣になっていった。


【月1kgの意味】

正直、1か月で1kgというのはインパクトが小さい。
見た目の変化もすぐにはわからない。
「たった1kgしか減ってない」と思えば、やる気を失うかもしれない。

でもAIは言う。
「1kgは大きな成果です。1kg×12か月で12kg。確実に積み上がります」

数字で言われると、その重みが伝わってきた。
脂肪1kg=約7,200kcal。
12kg減らすなら合計86,400kcalになる。

大きすぎて現実味がない数字も、1か月で分ければ7,200kcal。
さらに1日で考えれば、たった約240kcalだ。
お菓子を少し控えたり、通勤で一駅分歩くだけでも調整できる。

しかも日ごとにぴったり合わせる必要はない。
「今日は食べすぎたから明日は抑える」
「今週は飲み会があるから前もって少し控える」
そんなふうに週の中で帳尻を合わせればいい。

そして自分は、やってみたら意外と簡単だった。
なぜなら「苦にならないこと」だけを選んでいたからだ。
歩くのが平気なら少し歩く。
甘いものが欲しいときはゼリーで満たす。
噛みたいときはナッツを数粒。
どれも小さな調整の積み重ねで、自然に240kcalは作れていた。

だからダイエットは「苦行」ではなく、生活の一部になっていった。

【7か月目の手ごたえと、わずかなゆるみ】

振り返れば、5か月目の自分は焦りしかなかった。
「もう間に合わない」「どうせ無理だ」と思っていた。
でも実際に6月までで−6kgを取り戻し、計画に戻せた。
その経験が「やればできる」という感覚を呼び戻してくれた。

「計画はまだ続いていますよ」
AIのその一言に、ただの数字以上の意味があった。

「やっと本来のペースに戻れた」
その安心感と同時に、これを続ければ必ず結果が出るという手ごたえもあった。

ただ、7か月目の終わりには「ここまでできたなら、まあ大丈夫だろう」
そんな気のゆるみが、少しずつ顔を出しはじめていた。

だいたいAIダイエット メインストーリー